何が起きたか:2026年2月の広告撤退

AI検索広告のマネタイズを語るうえで、Perplexityの動きは無視できません。同社は2024年11月、AI回答エンジンとして初めてスポンサー付きの表示(関連する質問の提案など)をテスト導入しました。しかし2025年10月には新規広告主の受付を停止し、2026年2月に広告事業からの撤退を正式に表明。サブスクリプションとエンタープライズ中心の収益モデルへ完全に舵を切りました。AI検索広告全体の現況は日本で出せるAI検索広告まとめを参照してください。

なぜ撤退したのか:信頼の問題

同社が挙げた理由は明快です。スポンサー表示は、たとえ広告と明示されていても、AIの回答に対するユーザーの信頼を損なうリスクがある——という判断です。回答の中に商業的な意図が混じった瞬間、ユーザーは「この答えは中立なのか」と疑い始める。回答エンジンの価値の根幹である「信頼」を守るため、広告という収益源を手放した、というわけです。

これはAI検索広告の本質的な難しさを突いています。検索結果の「リスト」と違い、AIの回答は通常3〜5の選択肢に絞り込まれた「結論」として提示されます。そこに広告を差し込むことは、従来の検索広告より中立性への影響が大きくなりやすいのです。

他のAI検索との対比:方向性は割れている

重要なのは、これを「AI検索広告の終わり」と早合点しないことです。Perplexityが広告を手放す一方で、他社はむしろ広告を拡充しています。

プラットフォーム広告の方向性
Perplexity撤退(2026年2月・サブスク専業へ)
Microsoft Copilot拡充(2026年4月 AI Max for Search 投入)
Google AI Overviews拡大(既存Google広告を表示)
ChatGPT(OpenAI)提供地域を順次拡大中

つまりAI検索広告は縮小しているのではなく、「信頼を優先して広告をやめる派(Perplexity)」と「広告を主要収益として伸ばす派(Microsoft・Google・OpenAI)」に分かれたと理解するのが正確です。今すぐ出せる広告先はCopilot広告Google AI Overviews広告にあります。

マーケターへの示唆

広告主の立場で見ると、出稿先を「特定のAIサービス」に依存させるのは危ういということです。プラットフォームの方針はPerplexityのように一夜で変わり得ます。だからこそ、有料広告(Copilot・Google AI等)と、AIの回答そのものに引用されるLLMO(AI検索最適化)の両輪で、AI検索面を多面的に押さえておく戦略が有効です。

広告枠が閉じても、自然引用で露出が残る状態をつくっておくことが、AI検索時代のリスク分散になります。Perplexityのように広告を出していないAIでも、LLMOなら横断で露出を取れます。詳しくはLLMOの基礎を参照してください。

よくある質問

Perplexityにはもう広告を出せませんか?
2026年2月にPerplexityは広告事業からの撤退を表明し、新規広告主の受付も停止しています。2026年6月時点で、Perplexityは広告出稿先の候補からは外れています。
なぜPerplexityは広告をやめたのですか?
スポンサー表示が——たとえ広告と明示されていても——AIの回答に対するユーザーの信頼を損なう懸念を理由に挙げています。回答エンジンの中立性を守るため、サブスクリプション中心の収益モデルへ移行しました。
他のAI検索でも広告は縮小していくのですか?
方向性は分かれています。Perplexityが広告を手放す一方、Microsoft CopilotやGoogle AI Overviewsはむしろ広告を拡充しています。AI検索広告全体が縮小しているわけではありません。